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コスプレドレス もうひとつ、地球をつくるとしたら。

クラブ・エメラルド。

今日が初仕事。

ここの仕事は、朝早くから始まる。

歌舞伎町一番街。

日本中で、夜、もっともにぎやかな街の一つ。

今は、しんと静まり返った朝を迎えている。

行き交う人のいない道のまん中で雀が地面を突つく。

びっしり建ち並ぶ雑居ビルと、その隙間を埋め尽くす色とりどりの看板の間から見える狭い空がやたらと青い。
 酔い潰れたサラリーマンが、地べたに体を丸めて寝ている。 人相の悪い開襟シャツ男の腕に、絡みつくように腕をまわして寄り添う艶やかなドレス姿の女。

けたたましい女の笑い声が響く。

ぼくが向かうのは、この一番街メイン通りから狭い路地に入り、少し行った先にある。

七階建てのビル。

全フロアがクラブだ。

ワンフロア一軒。

エメラルドはこの地下にある。

ぼくは、ビルの前に車を停め、そうじ道具を下ろした。

階段を駆け下り、あいさつをしに中に足を踏み入れると、お酒と、たばこと、香水が混ざり合った残り香が、ふわっとぼくを覆い包んだ。

白いワイシャツ姿の男たちが、蝶ネクタイをゆるめ、無言で片づけをしている。

ぼくは、広い店内をぐるりと見渡し、テーブルに伝票を広げ、電卓を叩いている男性に近づいた。

店長である。

すると、ぼくに気づき、わざわざ立ち上がった。

「あ、どうもー。よろしくねー」

感じのいい人だ。

最初の打ち合わせの時からそうだった。

年齢は、四十代なかば、といったところだろうか。

すらりと背が高く顔立ちの整った物腰の柔らかい人だ。

若いころ俳優やっていました、と言われたら、ああ、やっぱりね、と多くの人が言うだろう。

打ち合わせに来るまでは、あのような関係からの紹介なので、違うタイプの人を想像していたのだが、まったく違った。

いつでも始めてください、と店長は言った。

そうじをするのは、お店と休憩室。

事務室のようなものはない。
店の方を終わらせ、休憩室に道具を運び入れた。

小ぶりのテーブルがいくつか置かれ、不揃いの椅子が乱雑に散らばっている。

最初に案内されたとき、意外に広い、と思った。 真正面に鍵のかかった扉がある。

そこは、女性たちの更衣室なのだそうだ。

こちらは、やらなくていいいと言われている。

貴重品とかがあるのだろう。

左に目をやると、奥まった所に小さな冷蔵庫が見える。

その向いが流し台。

給湯室だ。

右に目を移すと、壁に沿って、この部屋には似つかわしくない、どっしりとした大きめの革張りらしいソファがある。

だいぶ古びてはいるが、もとは高い物だったなのではないだろうかと、ぼくは思った。

次の瞬間、ぼくはギクリとした。 ソファの横から、こっちに向かって、裸の足が二本飛び出してきたのだ。 小さい足だった。

驚いた拍子に蹴飛ばしてしまった椅子の音に、足がビクンと持ち上がり、その向こうのタオルケットがむずむずと動いた。

ぴょこんと出た小さな顔がぼくを見た。

少年だ。

「だれ?」

と、寝ぼけた声で言った。

女の子みたいな声。

「あ、おじさんね、そうじ屋さんなんだ。おそうじに来たの」

「そうなんだ」

眠そうに目をこすりながら、ごそごそと起き上がった。

ちょこんと座った小さな体は、大きなソファをさらに大きく引き立てた。

「ぼく、いま、どくから」

と、少年が言った。

ぼくは慌てて返した。

「いいんだ、いいんだ。そこにいて大丈夫だから」

「お仕事のじゃまじゃない?」

「だいじょぶ、だいじょぶ」

少年はにっこりと笑った。

「ねえ、きみはここで何してるの?」

「ママを待ってるんだよ」

ほっぺたをぽりぽりと掻きながら言った。

「ママ、って?」

「ここで働いてるの」

「そうなんだ。でも、もうずっと前から誰もいないよ。男の人がひとりいるけど」

「うん。ほかのお店に行ってるんだよ、お客さんといっしょに。それもお仕事だから」

「いつもここで帰ってくるのを待ってるの?」

「うん、そうだよ」

少年はピンクの顔で、当然のように言った。

「もうすぐ戻ってくるよ」

と、壁の時計を見ながら少年が言った。

「でもね、ママはいつも言ってるんだ。絶対に“一線”は越えないんだって。おじさん、意味わかる?」

やけに大人びた言い方だった。

ぼくは答えに窮した。

「きみはわかるの?」

と、苦し紛れに返した。

「エッチなことだよ」

なんて言っていいかわからずに、少年の顔を見つめていると、突然、ドアを蹴破るようにして、ふらふらになったコスプレドレスの女性が転がり込んできた。

べろんべろんだ。

女性は、幽霊のようにぼくの真ん前を横切り、ソファにうつ伏せにぶっ倒れた。

キラキラ光る銀色のポシェットを、振り払うように放り投げた。

「これが、ママ」

少年が屈託のない笑顔で言った。  つづく  お読みいただきありがとうございました。お楽しみいただけましたら、ボタンを押してやってくださいませ。たいへん励みになります。  ↓ ↓ ↓ 
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